実験 9: 電気泳動法によるタンパク質の分析

電気泳動法の基礎を学びタンパク質を研究するための生化学的アプローチについて理解を深めることが目的です。今回取り上げるゲル電気泳動法では、イオン性の界面活性剤でタンパク質を変性させてから電場をかけ、高分子ゲルが形成する網目構造を通過させてタンパク質を分子量ごとに分離します。分子量が既知の標準タンパク質の移動度と比較することで、未知のタンパク質の分子量を求めることができます。

Point 1濃縮ゲルの作成と分離ゲルへの積層

まず安全のため手袋を着用します。これによって皮膚のタンパク質混入や手の染色を防ぐこともできます。分離ゲルは、あらかじめゲル作成装置に用意されていますので、ここへ濃縮ゲル水溶液を注ぎこみ、ウェルを作るためのコームを差し込んでから、固まるまで待ちます。

Point 1ウェルへの試料の注入

まずマクロピペットの使い方を実験テキストの基本操作9・1を参照して確認しておきます。濃縮ゲルのウェルへ試料を5 μLずつマイクロピペットを用いてゆっくり添加します。試料が変わるごとに、ビーカーに取った泳動用緩衝液でチップを洗浄して試料の混ざり合いを防ぎます。

Point 3電気泳動とゲルの染色

泳動槽と電源ユニットをスライドさせて組み合わせ、コネクターバーを押し込んで接続します。電圧などを設定して通電させ泳動を開始させます。マーカーに含まれる青い色素がゲルの底部から1 cmほどのところまで進んだら停止させてください。その後、ゲルを取り出し染色・脱染の操作を経て、タンパク質のバンドが観察できる状態にします。